折り返し、そして下位初級者へ

5連鎖改の時代はすこし続いたがいずれ火力は不足する。すぐに大連鎖への布石である「折り返し」に手を出して一気に火力強化を計るようになった。動機はバッタの大群のように増殖する5連鎖ユーザーを確実に葬る兵器を開発すること。連鎖数が増えるにつれて加速度的に攻撃力が増大していくため、5連鎖の連鎖尾にどれだけ大量同時消しを加えようとも大連鎖の前には塵に等しい。単純7連鎖ですら単純5連鎖の3倍弱の破壊力を有している。少々、ダブルやトリが絡んだところで問題ない。

因みに、単純連鎖の攻撃力は低連鎖では指数関数的に増大し、大連鎖では連鎖数の自乗に比例する。単純n(>5)連鎖が相手に降らせるおじゃまぷよの段数Dは以下の式で近似される。

 D=1.5(n-2.3)^2

(精度はn>6で2%以下、n=5で5%)
実数はこんな感じ、数字覚えたほうが速い



n=1 :: D=0.1
n=3 :: D=2.4
n=5 :: D=11.5
n=7 :: D=32.9
n=9 :: D=66.4
n=11 :: D=112
n=13 :: D=170

おりかえしは初級者への入り口、まず7連鎖が実用化され、折り返しの挟み込み化にともないすぐに9連鎖まで強化された。相手が階段5連鎖組むのにもたつけば完全に破壊できる火力だ。ただ「折り返し」部分を組むには時間がかかるため、速攻で5連鎖されれば対処できないで死ぬことが多い。そこで、連鎖を簡略化し、「底上げ」や先に折り返し部分を作る「先折型」に移行することで完成した部分までいつでも発火できるようになり、階段5連鎖に時間的に対処する事も可能になった。当時の速度と技術では、以下のようなじゃんけん関係が存在した。相手が5連鎖しか使えないなら速攻7連鎖を打ち込めばいい。

  1. 速攻5連鎖>9連鎖:時間的に辛い
  2. 先折7連>5連鎖:
  3. 9連>7連

連鎖数は9連鎖に壁が存在したが戦況は激化し、より強大な火力が求められるようになる。ここを打破するには2段目を効率よく組んでいく技術を開発する必要があるため、一時期は鍵積みや挟み込みの習熟度を上げるのに費やした。そうして完成したのが一段目を階段で作り、2段目を挟み込みや鍵でつくるという典型的な2段連鎖。連鎖は折り返して反対まで到達し、10連鎖以上の連鎖が実現した。10連鎖を超えるようになると飽和攻撃力の強化もそろそろ落ち着いてきて、より安定性や実用性のほうに向かう流れが生じ始める。挟み込みを主体に階段を複合させた大型連鎖の構築へと移行しはじめる。飽和攻撃力を落としても、柔軟性や即応能力、後の不定形への足がかりを意識するようになる。初級者にありがちな、大連鎖勝負に安住する事無く、先送りしてきた実戦対策を意識するようになる。連鎖もGTRやなめくじなどを利用する事がちょくちょくでるようになる。

もちろん最大火力の強化も続いた。第2折り返しを導入することで3段連鎖となり14連鎖を超えるような連鎖も出るようになる。最終的にはkenny型とよばれる19連鎖を組むために使われている有名な型を試みる。形や色制限が多く効率は異常に悪いが、基礎部分だけで14連鎖はある大型連鎖であり、場合に依っては16・17連鎖も狙える。「まわし」や最後の処置をもうすこし習熟すれば19連鎖も可能だろう。ただ実戦では使えた代物ではない。