夜明け前のHTML5、福音と大分裂への道

2010年の勧告を目標に作業が続けられているHTML5のWorking Draft が公開された。現在、Webの根幹を成しているHTML4が1997年の勧告であることを思うと隔世の感がある。ブラウザ戦争の時代を振り返り、すでにはるか太古のできごとであるかのような思い出の数々に懐かしさを感じた。

まとめる気力はないので、適当な雑感を箇条書き程度に

  1. セクト分裂:で、XHTML2.0 どうするの?
  2. 偏見HTML5=利権と業者の都合、XHTML2.0=原理主義
  3. 狭軌から標準軌へみたいな話:1997年当時と比べ現代のインターネットは大海の広がりとジャングルの多様性を有している。HTML4は既にSNSからネット販売に至るまでの膨大なサービスを支える社会基盤として根付いていた巨大言語だ。いまさら新しいバージョンのHTMLを立ち上げても世界標準語を英語からフラ語に切替えるようなもので、敬虔なW3C教徒か一部の開発者の間でしか広まらない危惧がある。古い資産が大事だったり、現状で満足するナマケモノたちは動かないよ。
  4. 真の初心者涙目:fontタグやframeタグが廃止されCSSに強制移行するなど、レイアウト用途のマークアップが不遇なのは世界の流れであり既定路線だ。実装やメンテが省力化されシステムもすっきりするため、開発者にとっては楽になるが、ほぼ強制的にCSSとHTML/XHTMLの両方を要求するため一般初心者の敷居を高めることになる。Web標準のドグマを"愚民"にも押し付けるには、けしからん実装を消してしまうのが一番確実な方法だが、HTML4はタグの適当さと手軽さが普及の役に立ったことも忘れないでほしい。
  5. HTMLかXHTMLか?HTML5はHTML4からXHTML1.0/1.1への流れを否定するものではない。HTML5xmlとhtmlの両方で策定される方向で動いている。application/xhtml+xmlとtext/htmlはどちらが優れているというものではなく、MIME Typeの違いに過ぎず目的に応じて使い分けるべきだ。xmlベースでDTDが策定されたとしてもtext/htmlでの仕様策定は大事だ。何故かって?それは具体的に言うとIEとかいう化石ブラウザがデファクトからだよ!
  6. HTMLの再発明:「HTML5はHTMLである、SGMLではない。 」は不思議な気がするが、現実問題としてブラウザってHTML 4 原理主義と実状:DTD参照してないよね、という実態は、まぁ、その通りかも、でも、本当に捨てちゃうんだね。
  7. 標準モード:標準仕様が数ページ分もありモジュール化してないのが、namespace stdみたいでヤダ。多彩な表現端末を考えるとある程度、モジュール化が出来たほうがうれしいよね。一体仕様にしたほうがWeb開発者的に楽なのは事実だろうが、ケータイの端末開発者は酷いことになる。namespace std;するなら、Ajax追認とかHTMLElementとかAPIセットとかマルチメディア標準対応とか正直どうでもいいから、TeXモジュールの標準実装にかすかに期待しておく。WHATWGの連中がよろこぶ実装ばかりじゃなくてね。
  8. 省力化:ポップアップメニューみたいな基礎中の基礎部品1個作るのに、何十行もJavaScriptでおまじないを書かなければならない時代は終わっていいよ。その点では5に期待
  9. 著作権管理:とうとうHTMLにも著作権の並、DRMや標準メディア再生形式の策定にざわざわする。オーディオまわりでappleが怒っているそうだ。