1年生は「アインシュタインは間違っている」っていうよね

いわゆる「相対性理論は間違っている」系の本って、もっと高レベルな本があっていいと思うのだがどうだろう。「ローレンツ変換」とか「双子のパラドックス」にブツブツいっているような低レベルの議論ではm9(^Д^)プギャーされて終わるだけ、そーゆーのが許されるのは高校生まで。

とりあえず、中級者向け「アインシュタインは間違っている」につかえそうなネタをいくつか考えてみる。手を付けやすそうな特殊相対論批判をしてみたくなるが、本来攻めるべきは一般相対論だ。特殊は単純な構造で理論領土が狭く、いくら暴れたところで敵は容易に一般へと回避することができるし、一般相対論からの砲撃を防ぐことができない。

また、幾多の理論的思索と実験に耐えてきた「共変原理」を根幹から破壊しようと画策するのは無謀といえる。突入すればノルマンディー上陸作戦におけるオマハビーチの悪夢が再現されるので、重箱の隅をつついたり適応限界を示唆する方向で調整する。自分で勝手につくった虚像に対してツッコミをいれて勝利宣言している方は沢山いるけど、ああいう痛々しい死に方はしたくない。


プランクスケールでの振舞いに難癖をつける

「重力理論が正しいっていうのなら早く量子化してプランクスケールの物事を正確に予言してみろよ。」「量子重力まだー?」というヤクザのようなツッコミ。単純に一般相対性理論プランクスケールに適応する事は困難を極めており、根本レベルでの修正が必要になる可能性はある。「(プランクスケールでは)相対性理論は間違っている」と主張することは不自然ではない。

GZK限界を指摘する

「GZK限界を超える宇宙線の存在は高エネルギーでの相対論の扱いに重大な困難がある可能性を示唆する。」
どうせ、近傍AGNかGUT粒子崩壊あたりだろと身も蓋も無い事を考えるのはなしの方向で。一応、禁止された最高エネルギー宇宙線(UHECR)が観測されている理由として、前提の一つである相対原理が高エネルギー極限で破れているという説は存在する。

Λ-CDM批判

「我々にはダークエナジー/ダークマターを導入する代わりに重力理論を修正するという選択肢がある。」
いわゆる修正ニュートン力学(MOND)的な難癖の付け方だが、単純に修正ニュートン力学を持ち出すと「重力レンズ」をはじめとして説明の苦しい現象が沢山あるのでオプションとして紹介する程度に留め、「本当にダークマターが必要なんでしょうかねー。」と揶揄する。Λ-CDMモデルはCMBやSN/clusterサーベイで確定と思っている人もいるかもしれないけど、案外必須でなかったりするよ。

イオニアアノマリーにかこつけて絡む

これも既存の重力理論を修正する事で説明する方法が存在する。MONDもそうだけど、非主流の説というのは特定の現象に関しては主流説より上手く説明できることが多いが、どうしても苦しい部分というか汎用性で劣ってしまうことが多い。

平坦性問題

一般相対性理論の時空は非常に不安定で、簡単に折れ曲がり時空は崩壊する。宇宙がこれほどまでに平坦なのは脅威といっていい。これは理論と現実に解離が・・・以下インフレーション発言禁止。