殺人事件が伝わらない場所に住んでいる

久しぶりにテレビのニュースを見たが、不思議な気分だった。

殺人事件や交通事故のニュースが無視できない割合を占めていることを改めて気付かされた。「誰が誰を刺して動機は不明」みたいなことを知ったところで正直どうでもいいし、日本の犯罪統計を見る限り宝くじにあたることとすら比較可能な希少リスクだ。ダルフールチベットルワンダでの悪夢ようなグローバルな矛盾と違い、当該事象はドメスティックで稀であり、私に大きな情報価値をアピールすることはない。

よく訪問するようなサイトでも特にそのようなニュースを取り上げることはあまりなく、偶にマクロな統計量として調べることはあるけど個別の事故や事件のニュースはいつのまにか遠い世界の出来事のようになっていた。まるで凶悪事件なんて起きてないかのような静かな世界、ニュースは来る日も来る日もリフレがどうだとか、タンパク質がほげほげだとか、量子スピン系の制御が云々だとかそんなのばっかり。

そもそもホッテントリー自体殺人事件の類は滅多に載らないが、凶悪事件や事故が共有の話題として消費されるコミュニティというのはどのような性質と構成集団を有しているのだろう。テレビで報道しているからには需要はあるだろうし、少なくとも一定の層は非常によく食いついているのだろうけど、それがどんな人たちなのかここからは見えない。子どものいる親とか?