計算にもっとも向いている筆記具は何だろうね

筆記具とは使うひとの歴史や人となりを映す鏡だ。万年筆loverと鉛筆loverの間には生活スタイルや考え方に違いが見られると言うし、極端な例として、毛筆やGペンを使う方はそれだけで強烈な個性が推察される。各人のこだわりや趣向が大きく表出する。

私は消去法でゲルインキぺンを中心に選んでいる。シャープペン/鉛筆系は薄いし汚れるので論外だし、いつでも書き換えられるので書類や研究記録には使えない。ボールペンは書いているときの摩擦感が強く、インクの初動が数ミリ程度遅れる上に、閾値以下の筆圧では微妙な濃度出力になる。使いこなせば最高の筆記具になるかもしれない万年筆は方向性や圧力に癖があってまだ馴染まない。

書き味がなめらかで安定していることを主理由に、ゲルインキペンのPILOT HI-TEC-C 0.5mm〜0.3mmをここ数ヶ月使っていた。自重のみの最低筆圧条件ですらクリアで細く安定した線が書ける。これはほとんどのボールペンには不可能な芸当だ。この細くてクリアな線は味気ないが小さな添え字が頻出する計算に重宝する。しかし、針のように伸びたペン先の耐久性に若干の難があり1ヶ月もしない内に曲がってしまう。床に落ちれば一発アウトだ。

というわけで、若干抵抗は増えるもののペン先が円錐状で丈夫な下のペン(uni-ball SigNo 0.38mm)に乗り換えることにした。ペン先の損傷もなく、ゲルインキペンとしての安定性も兼ね備えており、今のところ好成績だ。

無論、これで完璧ということはなく、長時間の使用を考慮すれば、もうすこしグリップの太いものが欲しい。