ぷよぷよ界の生ける伝説「ミスケン」が人間だった頃

ニコニコ動画にあがっているぷよぷよプレイ動画で最も古く、そして有名なのが恐らくこの動画だろう。投稿は490番で、初期のランキングにも登場している。

この動画で、左(林健太郎2段)をボコボコにしているのが「ミスケン」と呼ばれ、惜しまれつつも引退した元世界最強のぷよらーだ。この動画は最盛期の直前の物(2001年)で、その後のミスケンの強さはインフレを続けヒトとしてあってはいけないレベルまで到達してしまう。技術の進歩した現代(2008年)ではこの程度では十指にも入らないという人もいるようだけど、その恐るべき判断力と連鎖の柔軟性は特筆すべきものがあるだろう。

相手の心理や判断材料にまでハックが掛けられ、連鎖を打つタイミングや大きさすらロボットのように支配される。より下のレベルにある人たちは何も出来ないまま灰になる。そんな彼にも定型連鎖をやるなんて人間味のあふれていた時期があったことを知る文献をみつけた。恐らく90年代。

http://www.geocities.jp/ore_cne/nikki/2003nikki.html

私は昔、階段積みがもっとも有効な積み方だと思ってました。
簡単で、飽和がとりやすくて、大連鎖になりやすかったので
これで十分だと思ってました。


ある日某ミスケ○がアイランドに来ます。
当時彼は鍵積み使いでしたが、階段積みで対抗した私は
いくら乱入しても勝てませんでした。
友人のKが「無駄だからやめた方がいいよ」
と言うのですが、私はカルチャーショックというか
なぜここまで負けるのかという事実を確かめたくて乱入しつづけ
ました。


おそらく積み方がどうのというより戦略や組み方のバリュエーション
の量の違いで負けてたのかもしれません。


しかし鍵積みができなければ彼に勝てないだろうな、
という気がしました。階段で勝っても勝った気がしない
だろうなと思いました。


なので私は鍵積みをマスターすることに力を注ぎました。


私が鍵積みを使えるようになるころ、もう彼は不定
へと積み方を変えていました。それからは前と同じでして
不定形の習得へと努力することになります。


2ぷよでは、人と人が直接顔を合わせて対戦するわけではないですし、
最近ではあまり会話も交わされていないようで、
上を目指そうと思い立つきっかけが得られにくいのかもしれません。


しかしもし、2ぷよでもあの人に「いつか勝ってやる」といったような
気持ちが多くの人に芽生えて、みながみな上を目指して
がんばっていける場になったら最高だなあと思うわけです。

私には、セカンド(第二撃目の大連鎖のこと)ならともかく、階段も鍵もそれほど差があるようには感じられないのだが、上の人たちは違うのだろう。因みに左が鍵積みで、右が階段積みだ。


一見すると、上の動画のカオスな積み方とは恐ろしい隔絶があるように見える。しかし、彼らの連鎖には歴史上存在したありとあらゆる定型連鎖の面影が溶け込んでおり、この2つの定型連鎖も例外では無い。