謹賀新年:書き初めの日

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

現在、北陸に帰省している。

雪はそこそこ積もっているが、厳冬の雪国を宣伝するには半端な風景だ。地球の大部分は得てしてそんなもので、ブログや雑誌に掲載される分かりやすい絶景とは無縁の空間だ。灰色の空、斑の雪塊、藁半紙みたいに色褪せた天地、途中放棄されたデッサンよろしく投げやりに転がっている。そんな凡庸で眠くなるような光景が穏やかな休日を作り出している。

市街地は融雪パイプと氷雪の戦闘が昼夜を問わず断続的に続いておリ、夜中に外を出歩けば闇に潜んだ消雪パイプに銃撃されて負傷することになる。戦闘の爪痕が残る廃墟、ベチャベチャした灰色を踏み鳴らして歩道を歩いていくと、氷水に浸かった靴と靴下がスポンジのように保水機能をアピールする。しばらくすれば痛みも麻痺するだろう。防水仕様の靴が役に立つ季節。

ところで、雪は雨と比べてドカドカ降るイメージがある。短時間に100mmの豪雨は滅多にないが10cmの降雪は普通だ。雪の密度が0.1g/ccくらいしかないことが主因だと予想しているが実態はどうだろう。同じ水量なら雪は10倍の体積なので、20mmの降雨が20cmの降雪に対応する。降雪量が多いことにくらべて、地面や排水口に吸収されないこともドカドカ感に貢献していそう。