例えばこんな建国記念日の過ごし方:東大一般講演会、LHC実験

すでに、建国記念日の予定はお決まりだろうか。来る、2月11日(祝日)、東大の安田講堂LHC実験に関する一般講演会がある。LHCジュネーブ郊外に建設された世界最大にして最高エネルギーの加速器であり、全周27kmの巨大なリングを用いて光速の99.999999%まで加速した陽子を衝突させることで、ビックバンから1兆分の1秒後の世界を再現し、人類がまだ見たことの無い極限の異世界を探るものだ。

なぜ物には重さがあるのか。なぜこの世界には見ることも触ることもできない物質、ダークマターが存在しているのか。この世界は本当に3次元なのか。この世界にある全ての力の起源は何か。LHC実験はこれらの素朴な疑問に対して強力な道標となることが期待されている。

登壇者


まず、小柴昌俊特別栄誉教授。カミオカンデ実験を率いてニュートリノ天文学を開拓した功績により2002年ノーベル物理学賞を受賞した。その足跡については今更説明を加えるまでもないだろう。


次に、小林富雄LHCアトラス実験日本グループ共同代表だ。LHC実験において日本はKEK、東大、筑波大、早稲田大、京大など15の大学と研究機関を結集させ、二大衝突点検出器の一つであるアトラス実験に参加している。日本グループは予算面で大きなボリュームをもつKEKと東大からそれぞれ1名づつの双頭体制をとっており、小林教授は東大所属の共同代表だ。彼は超高エネルギー加速器実験に30年以上にわたって多大な貢献を残し、今回のLHCにはデザインの段階から関わってきたプロ中のプロだ。


最後に村山斉、数物連携宇宙研究機構(IPMU)機構長である。IPMUは「宇宙の最も根本的な謎」に挑む国際研究拠点として国内外の多様な研究者が結集したスター集団で、スーパーカミオカンデすばる望遠鏡、UCバークレーKEKといった無数の組織や施設の協力によって成り立っている。彼は44歳という異例の若さでそのトップに就任した新進気鋭の論理物理学者で、人を惹きつける研究や日本人離れしたプレゼンスタイルに定評がある。

最近では、この辺でも触れられているね。
宇宙は「量子流体」――村山斉氏が語る、超伝導体としての宇宙
「東大までの人」と「東大からの人」

以上3名、いずれも世界に名が轟くスター研究者であり、現時点で東大が出せる最強クラスの戦力が待ち構えているようだ。

LHC 実験について、あるいはその意義や目的についてトップクラスの研究者から直接話を聞いてみたい。あるいは、今のところ物理や実験自体には興味がないとしても、例えば、「東大の安田講堂の内部がどうなっているのか覗いてみたい」「仕分けや予算、科学広報に関してトップの研究者がどう考えているか聞いてみたい」そんな動機でも恐らく大丈夫だろう。

皆様、お誘い合わせの上、ぜひご参加あれ

LHC実験はじまる

  1. 日時:2010年2月11日 14:00-16:00 13:00開場
  2. 場所:東大安田講堂
  3. 参加費無料、登録不要
  4. 定員:700人
  5. web : http://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/info/kouenkai2010/