低エネルギー有効理論 : (10^-35 m -> 10^-17 m)

弦理論とわれわれの世界をつなぐのが有効理論だ。超弦理論の低エネルギー近似、すなわち原子核のようなマクロなスケールでの物理現象や基礎パラメタがどのように伝達されるかを記述する。超弦理論という極微の世界での物理は素粒子の質量や対称性の破れの程度、力の強さ、といった形で我々の世界に顕現する。これらは我々の世界の成り立ちを決定する重要なパラメタだ。超弦理論を直接あつかうのは骨がおれるので近似した高次元超重力理論や巨大な超対称ゲージを用いた超Yang Mills理論が支配する世界。簡単な模型としてはSU(5)SYMなど知られている。この対称性を破ってやることで標準理論の対称性が得られる。

有効理論のもうすこし細かな流れは以下のような感じ、あくまでも1例だが。
超弦理論
↓(massless状態)
10次元超重力理論 (10^-35m) N=1
↓(コンパクト化)→素粒子の質量や種類が決まる。
4次元超重力理論(〜10^-30m ?) 粒子と力の分岐
↓(くりこみ方程式)
超対称標準模型 (10^-18m) ← 隠れた世界からの超対称性の破れ(10^-25m ?)の影響
↓(EWSBのスケール)
標準理論(10^-17m〜)