ノーベル物理学賞予想が当たってみる

今年はノーベル賞選考委員会と気が合うようだ。2007年10月8日の日記に「何気に巨大磁気抵抗を推しておく」と書いたのだが、そのままの受賞で、妥当というか流れから言って普通すぎる受賞。とはいえ去年も巨大磁気抵抗を推していたわけで、GMRがノーベル賞に値する研究ならば時流が変わらない限りいつか当たるとも言えなくは無い。その辺は地震予知と似ている。

今年は物性のターン、来年はひねりを期待。次はABかニュートリノ振動あたりだろうか。非線形やカオスの分野、あるいはフラクタルの領域は受賞対象にするかで若干議論が残るので微妙。京都モデルの人とか、CKM行列の人とか、青色ダイオードの人とかは今後の状況次第だろうね、微妙。この中ではCKMがまだ可能性があるだろう。強電子相関で出すのはもっと応用が広がってからだと思われる。受賞者と同レベルの研究をした研究者は沢山いるが、ノーベル賞は分野やテーマによって出やすい出にくいがあるのである程度候補は絞り込まれる。

今後の発見および受賞スケジュールとしては素粒子/宇宙系はLHC重力波の動きを意識して進むことになるだろう。発見されることが濃厚なHiggsがすでに予約を入れているし、重力波Xデーも予算次第だがそう遠くない(20年以内?)。重力波のみで観測される天体現象などがあれば面白そう。素粒子天文系(UHECR / DM)はダークホース、GZK以上の物理に期待。プラズマ加速も発展次第では有望で10TeV超えれば確実に出るだろう。Λはまだ先、DEの中身が確定するのは近い将来には難しい。インフラトン場!!スローローテーション!!

物性/量子系では足踏み状態である量子コンピュータのブレイクスルー次第だが、頭打ち感というかすぐには厳しい。現状ではコンピュータなどの身近なデバイスの基礎原理であり物理学的にも面白い現象あたりで調整していくことになる気がする。室温超伝導は理論的にも限界値でありまったく新しいメカニズムを発見しない限り可能性の芽はない。BECは少し時流から離れたかな、色々と面白い計画はあるようだけどノーベル賞対象になるような飛躍を加えるとなると厳しい。核融合関連ではpost-NIFの動向も多少は絡むだろう。iterははるか未来の話。ソフトマターとかその類は物理学賞の対象にはなりにくい。

万が一ウィッテン受賞ミラクルなんてのをやった暁には、もう予想なんてやらね。超弦理論/宇宙論業界は著名な受賞対象外者が膨大に蓄積しているので、実証主義を緩めてかの業界に与えると滞留消化には何十年もかかりそうだ。