ハース効果について

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ハース効果、先行効果とも呼ばれる、は、異なるタイミングで両耳に届く音源の方向を正しく見分ける人間音響心理学的現象についての記述である。頭部の幾何学的構造(二つの耳が間隔を隔ててあり、障壁によって分離されている)により、任意の音源からの音は、音源に近い方の耳に先に到達し、遠い方の耳は消失する。ハース効果によると、人間は引き続く音の到達が25〜35ms以内であると、音源を最初に到達した音に基づいて限定する。もし、後の到達がそれ以上遅いと、二つの別の音が聴こえる。ハース効果は、第二の到達の方が大きな音であっても(後のが10dB大きい場合でさえも)成り立つ。要するに、我々は、遅れた音を「聴かない」のである。これは、人間の他の知覚にもある抑制の例(*)である。知覚抑制とは、最初の刺激が次の刺激に対する反応を抑制する、すなわち、最初に一つの耳に到達した音が、もう一つの耳に遅れて(35ms以内に)到達した音を「聴かない」ようにする。同時に両方の耳に到達した音は正面あるいは後ろからあるいは頭部内の音として聴こえる。ハース効果はただ二つだけのスピーカによる完全ステレオ再生(full stereophonic reproduction)がどうしたら可能かを物語る。

へぇー。反射音などの残音は脳が無視する仕組み。生まれたばかりの乳児には世界にエコーが掛かって聞こえるというのは聞いたことがある。確か、乳児の早い段階でそのようなエコーを無視するようになるという話だったと思う。ヒトは可聴域においてすら全ての音をサンプリングしているわけではない。