監獄の誕生

首を刎ねるか鞭で打つような刑罰から、現代のように専用施設に収容するという形式が一般的になったのはそれほど昔のことではない。監獄というシステムは近代の誕生と共に発達し、一望監視、監視カメラ、拘束ベルトといったテーマに事欠かない。

最近ではセコムの民間刑務所といい、物理的な壁の代わりに各種センサーで張り巡らせた電子城壁といい、鉄格子の代わりに強化ガラスや特殊繊維でつくった牢獄といい、従来の監獄のイメージを覆すような試みがいくつも行われている。

特に、束縛の象徴として君臨してきた「鉄格子」を廃止する試みは注視している。最近は囚人をICタグで管理する試みが流行っているようで、これと小売店の商品管理と絡めて適当な文章が書けそうだ。それにしても、鉄格子がいらないとはやはり「Big brother is watching you.」こそが、刑務所を規定しているのだろうか。

ところで、高層マンションないしビルを収容所として利用する事は可能なのだろうかと考えてみる。密かにトンネルを掘って脱出することを防止できる上に、土地の有効利用が可能だ。何らかの方法でパラシュートを調達して飛び降りたとしても発見と撃墜は容易だ。因みに東京拘置所は12階建の放射状建築。