豆撒きの攻撃力はどこまで上がるか

節分を前に豆の攻撃力はどのくらいが限界か考えてみる。とりあえず鬼は10mほど離れているものとする。

まず攻撃力には精神的な攻撃力と物理的な攻撃力がありそうだ。精神的な攻撃力については汚らわしさ・尊さ・惨めさ等いろいろな方向性があるがここでは考えない。純粋に物理的な攻撃力について考える。

まずは豆選び

大質量の豆ほどよい。恥ずかしながらWikipedia大先生から画像を引っ張ってくるとEntadaまだは藻玉とよばれる豆があるようだ。大きいもので70 mm程度と,砲弾サイズだ。

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Wikipedia (Bart Wursten; CC BY-SA 3.0)

豆の定義や遺伝子組換えによる大質量化の可能性は脇において,この豆を使おう。

射出速度

想定するレギュレーション次第だが速いほどよい。

鬼に当たるまで豆が元型を留めることをレギュレーションに含めても,このサイズの豆なら超音速で射出しても鬼に到達する前に完全蒸発はしない。砲身から射出したあとサボのようなもので鬼に直撃する直前まで極超音速飛行の熱と応力から保護していいなら宇宙速度くらいまでは元型を留めるだろう。

元型を留めなくていいならば,かなり青天井。とりあえずプランクスケールにあやかって10^19 GeV/u くらいで射出された状況を考える。重心系でGUTにもいかないのではという物言いはあるだろうけど,鬼も反対側から10^19 GeV/uで加速して正面衝突させるのは「豆撒き」とはいいかねる。ほとんど鬼を大気にぶつけているようなものだ。

豆一粒ではせいぜい惑星を吹き飛ばせる程度

豆の質量を一粒 100 gとすれば10^35 Jであり,惑星程度なら吹き飛ぶけど,恒星を吹き飛ばすのは厳しい*1。宇宙が滅んだりもしないだろう。豆鉄砲一発はせいぜいこんなものかという印象だ。

かつて豆だったビーム状の何か

ビームのエネルギーに較べて化学的な結合は無視できるほど小さいので,10^19 GeV/uで運動する豆は,超高エネルギーの電子・重イオンビームとみなすことができるだろう。~10^25 /bunch という規格外の原子核を含み進行方向に限りなく圧縮された規格外のバンチが,限りなく光に近い速さで鬼に発射される。進路上にある空気分子*2を構成する原子核・電子とビーム粒子の相互作用によって,ビックバン直後の宇宙を再現するような高温の火の玉が速やかに形成され,ほぼ光速で膨張する。

離れた天体は蒸発しないが,火の玉から放射されるエネルギーから考えて冥王星あたりにいる人間は地球がみえる位置にいる場合炭化する。

鬼の物理的な強度がどの程度かはしらない

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参考:LHCのAlice検出器で,原子核同士が衝突したときの様子:四方八方に粒子が放射されている。

*1:質量流出があったり,一時的に凹むくらいはするだろうけど,太陽の重力結合エネルギーより小さい

*2:進路上の空気は豆の質量と同程度