時は加速する:ジンバブエのインフレ率のインフレ率

インフレ率の違う表現と、ジンバブエのハイパーインフレよりも上には上がある件

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このように比較してみれば、年率でパーセント表示した際の数字が「220万」などという日常でも了解可能な桁数に止まっているようでは、史上最高にはほど遠いことがよくわかります。ちなみにハンガリーの事例を年率表記してみれば {[4.19×10^(16-2)]^12}×10^2=2.928×10^177%、すなわち、29.28正無量大数無量大数%!

Wikipediaあたりのジンバブエドルの記述を見ていると、インフレ率自体が恐ろしい勢いで増加しているのが見て取れる。4月までは月2倍くらいでだが、6月だけで物価が170倍くらいになっている。単純計算でインフレ率は10^28%だ。

5月で7倍になって、7月で170倍となると、ここ2ヶ月のインフレ率のインフレ率は

\left(\frac{170}{7}\right)^{12}=4.2\times10^{18}%

ぐらい?算数ができないのでよくわからないけど。

ジンバブエドルのレート(7月)

  • 1291億4085万0245 (2日)
  • 1948億4084万8150 (14日)
  • 2414億2104万9361 (16日)
  • 4043億3284万9598 (18日)
  • 5026億8347万5196 (21日)
  • 6878億6037万5011 (22日)

あまり最大瞬間風速に着目しても仕方が無いが、直近に絞るとさらに跳ね上がる。21日と22日では37%も上昇している。物価が2倍になるのに3日かからない。

\left(1.37\right)^{365}=8.0\times 10^{49}=8\times 10^{51}\%

とはいえ、実際の通貨が50桁近くも下落することはない。最大瞬間風速はあくまでも最大瞬間風速だし、何十桁も落ちる前にデノミなりなんなりが行われるだろう(もっとも、デノミしたところで表示が変わるだけでインフレ自体が収まったわけではない)。また、紙幣は恐らく紙資源や燃料よりは安くならない。

ハンガリーハイパーインフレの例だと15時間で通貨価値が半減するレベルだったようだけど、インフレの最高速度はどのような統計量やメカニズムが決めているのだろう。史上最悪のインフレで物価が倍増する時間はなぜ15分でも15日でもないのだろう。ハンガリーだけなら偶々その値だったと言えるが、2位以降もだいたい1日ぐらいのスケールで物価が倍増している。

現代のようにネットワークを介して秒単位での取引が行われ、リミッター機構も無く、もっと流動的な通貨だったら過去のインフレ率の記録を越えられるだろうか。例えば1時間で10分の1まで暴落するようなことって可能なのだろうか。