22世紀のブックマークを目指して

「お気に入り」あるいは「ブックマーク」の系のサービスってたくさんあってそれぞれ一長一短あるけど、みんなどのように利用し使い分けているのだろう。統計資料があるとよいのだけど、とりあえずモデルケースAとして自分の状況を書き出してみる。

  1. Classic:ブラウザ附属のブックマーク(いわゆる普通のお気に入り)は1000件くらい。古いサイトばかりで過去の遺産的な意味合いが多い。エクスポートしてgoogleの副アカあたりに放り込んでおいた記憶があるが定かではない。もうブラウザにお気に入りを登録することも無くなったし、使うこともめったに無い。
  2. OBM:「Google Bookmarks」を使っていて100件くらい。いわゆるブックマーク的な使い方はほとんどこれで済ませている。Classicの担っていた機能はすべてオンラインブックマークに移行した。アドオンを使えば、Classicと変わらない操作性である上、どこでもブックマーク使えるのが魅力だ。
  3. RSS/ATOM:購読中のRSSは100件ほどで、リーダーはiGoogle/Google Readerを用いている。ローカルなリーダーは利用しない。ニュースサイトや主要科学ジャーナルが主体だがブログやホッテントリー・天気予報・瞬ワード系なども登録している。対研究機能の強化が課題であり今後大幅に増える事になるだろう。どこの大学でプレスがあっても光速でそれを検知するべく調律中だ。
  4. SBM:「はてなアンテナ」をメインに300件ほど登録しているが、「アンテナ」は無料版だとアカウントあたり200件までしか登録できないので節約する必要がある。まだ知らないサイトを発見するのが主目的であり恒常的にチェックしているわけではないがお手軽RSSとしての地位が失われたわけではない。SBMのよいところは共有にあり、SBM経由で知ったサイトは多い。かつてのリンク集の系譜に近い。
  5. はてブ:色々垂れ流しなので自重しており、すこししか登録していない。それなりにやるなら副アカつくるか非公開だろうね。はてブは便利だろうけど別アカへの再ログイン作業が面倒なのであまりやっていない。
  6. 自動登録系Googleウェブ履歴が2万件、Google Desktopの履歴で同じく数万件のオーダー。かつてクリックしたというフィルターが掛かるため、ノイズ除去に優れている。昔調べたことを再検索するときに使う。

はてブRSS登録が数千件オーダー以上というジャンキーのレベルにはないが、ライトなネットユーザーとは言えないくらいの位置づけだと勝手に思っている。IT系で働いている人たちを標本集団にすればさほど特徴もない使用状況だと想像しているが、ちゃんとした資料がないためなんとも言えない。

これからのブックマーク

すでにこれらの機能は実現されている。

  1. オンライン化:学校にいようが家にいようが旅先だろうがつかえる
  2. ソーシャル化:同じ興味を持った人とブックマークを共有できる
  3. 自動更新通信:更新が遅いサイトにチェックコストを払わなくて済む
  4. おすすめ紹介:履歴などの個人情報からおすすめサイトを紹介してくれる。

これに付け加えるとしたらどんな可能性があるだろうね。しかるべき時にしかるべき情報やサイトへ、能動/受動問わず手間をかけずにアクセスできる事、それは大方実現されつつある。既に見たサイトへのアクセスは容易だしこっちが何もしなくても勝手におすすめサイトや更新記事をもってくる。しかし、いまだにググることが不要になることはなく、人伝の力を超えるには程遠い状況だ。意中のサイトへの再アクセスを容易にする高速道路であり、サイトを自動的に集めフィルタリングするメディア装置であり、どこでも使える普遍性を獲得した筈なのに何かが足りない。

おそらく、4項目の「おすすめ紹介」能力が人に比べてまだまだ足りないと考えている。

  1. 現状のリコメンドは意外性が少なく世界が広がらない。「これおもしろいよー」といままで全く知らなかった世界を教えてくれる事は無く。自分の知っている世界だけに閉じていく傾向にある。
  2. 重要性や文脈に沿った提示が困難。高度な図書館サービスや詳しい人の話のように、どのサイトがどの程度重要で各々がどのような文脈に位置づけられるのか整理して提示できない。

この2つを技術的に解決し自動化するには単なる機械的判断処理では至難、人の行動履歴をソーシャル化してアルゴリズムに組み込む必要があるだろう。ある人がある単語を検索した後どのサイトを選び何を検索したか。あるサイトに興味をもった人間は次に何に興味をもったか。amazon「この本を買った人はこんな本も買ってています」をもっと賢くしたようなもの、「このサイトを見た人はこんなサイトも見ています。このエントリーをみた人はこんなサイトも見ています、こんな単語を検索しています。こんなサイトをブックマークしました」といったレベルの情報がもうすこし整備されると使いやすくなる。

RSSに「はてブニュース」やdel.icio.usdiggの特定タグを登録する以上の方法、twitterを単なる新着情報検出器として使う以上の方法を、まとめサイトはてなブックマーカーを何名かRSSに登録する以上の方法を。