ゴーストの鎖
脳は可塑的な臓器だ。学習能力に優れ、幅広い入出力フォーマットに柔軟に対応する。人工内耳のような外部デバイスからのインプット信号に対しては自らを変化させることで聴力を獲得する。逆にロボット義手操作ようなアウトプットについても経験を積むことによってあたかも自分の新しい腕のように扱うことができるようになる。近年になって、脳と人工デバイスのインターフェース研究は非常な成果を上げてきた。
では脳からの入出力を別人の脳に出入力したらどうなるか。他者の脳、例えば他者の意識や感覚を入出力デバイスとして用いることはできるだろうか。視覚センサーの信号に適応できるのならば、他者の生物的視覚信号に適応し、例えば視界を共有するといったことは可能だろうか。
脳の可塑性にかなり頼ることになるが、データリンクは現状で取りうる技術でもおそらく可能。