巷で話題の人工生命製造のニュースについて

http://www.guardian.co.uk/science/2007/oct/06/genetics.climatechange

化学的に合成した塩基をつなぎ合わせてDNAをつくり単純なウィルスなら生物試料を用いずともゼロから合成することはすでに可能だ。2002年の時点で既に人工ポリオウィルス(7kbp)が製造されている。それから技術は急速に進み、そろそろ合成可能な塩基対がMbpオーダーに到達しつつあるようだ。この数になるとウィルスだけでなく、正真正銘の生物として一般的に認証されている大腸菌(〜5Mbp)も射程距離に入る。データさえあれば天然痘ウィルス(200kbp)の合成も不可能とは言えないだろう。

最近の話題では、最も単純な原核生物である「Mycoplasma genitalium」を参考に80%ほどのサイズに最適化したDNA(580kbp)を合成したとかで、地球史上何回目かしらないが真の意味で親をもたない孤立生物の誕生にいろいろとごたごたしている様子。生命が発現する上で必要な最小の塩基配列は何かという問いはある程度実証可能な段階に来ているかもしれない。

このペースで進めば霊長類クラス(〜10Gbp)のDNAが合成できるのは10年後くらいといいたいところだが、まだ色々と障害はありそうだ。