お湯は水より早く凍る?:ムペンバ効果について

ムペンバ効果とかいう、プラズマでは説明できない現象がすこし話題になっているようだ。お湯の方が水よりも早く凍ることがあるという現象で、3週間ぐらい前にやたらとブクマされていて、何が起きているのやらと思っていたら、どうもNHKためしてガッテンでやっていたらしい。

冷却環境の管理や凍るの定義が曖昧なのと、再現性はどうなのよという話はあるが、恐らく精密実験で両者の条件を厳しく管理するほど起こすことが困難になる現象だろう。再現性実験の話を聞く限りではかなり運が良くないと実現できないようだ。

この効果は実際に見てみたい。

冷凍庫の吹き出し口の近くに「お湯」を置いて、風下の離れたところに「冷水」を置いたら再現できるかな。ある程度の非対称は必要になると推測しているが、冷水の近くでヒーターを焚くような積極的な非対称性はあからさますぎる。でも、吹き出し口からの位置や振動、冷凍庫の壁面熱分布といった消極的な非対称をわかっていて容認するのは積極的な非対称と何が違うだろう。もっとも、水の凍る瞬間というのは非常に多くの要素が絡み、どんなに対等な条件にしたつもりでも制御しきれないパラメタがたくさんある。ちゃんとやろうと思ったら生やさしい実験ではない。

ほとんど自分用のメモだが、arXivで検索すると取りあえず以下の2論文があるようだね。

『Mpemba effect and phase transitions in the adiabatic cooling of water before freezing』S. Esposito et.al
『Hot water can freeze faster than cold?!?』 Monwhea Jeng

最初の論文から抜粋。

横軸は時間(秒)、縦軸は温度(℃)

なんという微妙さ。なんという運ゲー。これを見る限りでは凍る直前の状況が勝負のようだ。