比推力のことは夢のまた夢
スペースシャトルは廃止され、もうすぐ有人再使用型ロケットの歴史は幕を閉じる。
ラムジェットエンジンやスクラムジェットエンジンはいつまでたっても(夢の)が接頭語についているのだがロードマップはどうなっているのだろう。核融合よろしく数十年も技術開発をやっている訳で、「最近、漸く実用化の目星がついきた。」との煽り文句も昔から言ったいるのではないかという疑念は尽きないが、残念ながら昔の状況はよく知らない。JAXAの複合サイクルエンジンについても近い将来に実用化される雰囲気はない。
低コストで完全再利用型の宇宙機は恐らくリニアエアロスパイクエンジン程度の推力改善では実現困難だし、軽量化にしても極限環境での耐久性を保持したままでこれ以上削るのは難しいだろう。燃料に関して言えば、フッ素は論外だし、水素-酸素燃料を超える物質が現れることは期待されていない。原子力推進ロケットに頼らない限りはラムジェット/スクラムジェットぐらいしか打開策は残されていないようにみえるが、そもそもSTSのコンセプトからして無理があったのかもしれない。
スペースシャトルが決して安くなかったように、核融合が採算ベースに載らないように、あらゆる技術的困難を超えて遥か未来にたどり着くだろうその機体は従来のものより低コストなビジネスになることを期待していいのだろうか。