おもたい中性子星とかるいブラックホールの話

あくまでも個人的に知る限りのコンパクト天体(ブラックホールとか中性子星とか白色矮星の総称)事例についてだが、観測されている最も重い中性子星と最も軽いブラックホールの間には質量ギャップがある。質量の数直線上にコンパクト天体を並べていくと白色矮星の後に中性子星が何個か続き、何も天体が観測されていない空白地帯があってから、ブラックホールがポツポツではじめる。クォーク星は未観測だ。

中性子星は理論的な上限はだいたい2Mから5Mまでと不定性があるものの、観測的にはチャンドラセカール臨界質量(1.4M)をわずかに超えせいぜい重くて2太陽質量くらいまでしか観測されていない。一方ブラックホールの方はというと、最近4太陽質量のものと推定される天体が1つ発見されただけで*1、大抵が10Mとかそれ以上だ。恒星質量BHでは20倍ぐらいが観測上限にあたる。

超新星にともなう両コンパクト天体の生成メカニズムは似ている点が多いが決定的な違いもある。例えば大爆発で逃げようとした物質がブラックホールに足つかまれて「逃がさんぞ」されるとか、コンパクト天体の中からニュートリノが出てこれないとか色々あるが細かいところは触れない。

ちなみにブラックホールの質量については大きなギャップのあとに中間質量ブラックホールが僅かにあって太陽の100万倍以上の大質量ブラックホールが続く形になる。上限は観測では180億太陽質量程度だが、理論上いくらでもブラックホールは成長できる。しかし銀河の質量とBHの質量にはある程度の相関があり、エサの関係で現実的には青天井というわけではない。

ところで系外惑星では、スペインの天文台だったと思うが最小質量候補記録を更新したという話がある。地球の5倍だとか。詳細を見ようと機関のサイトにアクセスしてみたものの、英語版の支障がみつからず放置している。こちらは観測技術の限界によるところが大きい。