太陽はどの方角に沈むか、任意の天体で
大学生の25%が日没の方角を知らないというニュースだが、私も任意の天体における東西南北の定義をちゃんと把握していないので五十歩百歩だ。金星や天王星やトリトンみたいな例を即答できない。
北の定義とは? 何人が即答できるか
金星は自転と公転が逆だ。
(A)『一般に回転体の北極は角速度ベクトルの方向(その極からみると反時計回りに見える方向)として与えられる。自転軸(北)は公転面に対して177度傾いており、北極と南極の位置が地球からみて逆立ちしている。金星で太陽は西に沈む。』という解釈 (Fig1)が私にはしっくりくる。この北の定義は公転しない浮遊惑星にも適応できる。
しかし、(B)『北極は公転面に対して地球と同じ側とする。自転軸の傾きは3度であり、周期マイナス243日の逆回転をしている。金星では太陽が西から昇って東に沈む。』みたいな解釈も見た記憶がある。北をなるべく揃えた方が扱いやすい場面は多いだろう。
どちらを北と呼ぶかの問題で、起きている現象は変わらないが、正式な定義はどうなのだろう。*1
東西の定義は?
ここでは南北を定義すると東西は地球と同じ関係になるよう脊髄反射的に与えてきたが、実際に東西はどう定義されるだろう。惑星の回る向きを東と定義するなら、後者(B)はFig2のように東が北に向かって左手になり、太陽は西に沈む。
あるいは、ダイソン球の内側から地面を見下ろす場合、そのような逆立ちした世界では、東西が反転するのか。
おらが村の東西南北
各々の天体から見た太陽の挙動を計算するのはただの算数だ。造作も無い。
しかし、それが東西南北という単語に結びつけるとなると、その定義が不勉強であやふやであることをそのニュースは気づかせてくれた。
横倒しで公転する天王星のどっちが北で、あるいは、海王星に対して軌道傾斜角156度で逆行回転してるトリトンのどっちの面を指して南半球と言っているのか(トリトンの自転と公転は同期している)、漫然と聞き流していたことを思い知らされた。
方位の定義について考えたこともなく生まれた土地から出たことの無い人間が「大学生は馬鹿だなあ。太陽は山側から昇るに決まってるだろ。」と言っているがごとし。
このエントリは解説ではなく反省日記。*2