銀河の読み方
とりあえず1枚の銀河の写真がある。
何も知らないとただのカオスだが結構いろいろな情報を含んでいる。とりあえず目に付くのは次のような点だろう。
- 全体を覆うぼやっとした白い靄のようなもの
- すこし黄色を帯びたおぼろげで明るい2つの場所
- フィラメント状で黒色の筋
- 赤く輝く塊
- 青っぽいライン
- 白くて明るい星みたいな点
まず、全体を包むぼやっとした靄みたいなの、これは銀河を構成する数百億の恒星たちだ。あまりに遠くて多いため雲みたいにしか見えない。靄は2つの大きなブロックに分かれており、各々その真ん中に周囲より明るい部分を有しているが、これは銀河系中心部で星が密集している場所だ。銀河中心には巨大ブラックホールがいたりする。2つの銀河中心の存在は、写真が元々2つの銀河が衝突して合体しつつある接触銀河であることを意味している。
青いラインは星が活発に生まれている領域。重たい星は太陽の何千倍もの明るさで青白く輝き非常に目立つが寿命が数百万から数千万年しかない。生まれた場所からそれほど移動できないため星形成領域に局在することになる。写真を見ると上の銀河の青い領域は輪を形成しており、二つの銀河の衝突で星間ガスに衝撃が走り爆発的な星形成が波紋のように広がっていくスターバーストがおきていることが確認できる。この様子だとつい最近(1000万年程度)2つの銀河は衝突してお互いを貫通したばかり。
黒いフィラメントは暗黒星雲だ。星間ガスや塵が濃い領域で背景光を遮断し暗い筋状に見える。赤く輝いているのは水素が電離している領域だ。暗黒星雲の一部が重力で濃縮して星が活発に作られるようになると、重たい星(10000K以上と温度が高く波長が紫外線方向へずれ込んでいる。)からの強力な紫外線を浴びてガス雲の水素がプラズマ化する。水素が電離してもとに戻るときにネオンサインのように赤い光を放つ。
入門としてはこんな感じ。