「NHKスペシャル」のあり方:沸騰都市

今週末の日曜日、NHKスペシャルでドバイをやるよ。

NHKスペシャル 沸騰都市 第1回 ドバイ 砂漠にわき出た巨大マネー

 世界最大の空港、世界最大の人工島、世界最大のショッピングセンター、世界一ぞろいのドバイの中でも極めつけが、地上160階以上高さ800メートルを超える、世界一高いビル「ブルジュドバイ」。世界中から労働者や建築資材をかき集め。4日に1階ずつのペースで上へ上へと伸び続け、2009年じゅうの慣性をめざしている。湯水のように流れ込んだオイルマネーは、砂漠の小都市だったドバイを富が唸る黄金の都市へと変えた。経済成長率は毎年20パーセント近い伸びを記録、証券取引所時価総額は5年で12倍に膨らみ、不動産価格は20パーセント以上高騰している。山を削り、海を埋め立て、砂漠を切り開く。人類史上催促のスピードと最大のスケールで開発が進むドバイに、世界中からヒト、モノ、カネが吸い寄せられている。
 一方ドバイの将来を危ぶむ声もある。1800万都市上海を遥かに上回る規模の開発が人口わずか120万のドバイで行われており、過剰開発、バブルが指摘され始めている。
 アラビア半島の砂漠の中に突如出現した巨大都市ドバイ。世界中が不況に苦しむ中、異様な成長を遂げるドバイに群がる人々の欲望の物語を描く
NHK広報局 報道資料より引用

ポジティブ教ディスカバリーチャンネル、「光と影」教のNHK、煽りの民放、視聴者と役割がはっきりしてるよね。

消費者が内容や番組規範を予見できることは歌舞伎や能に同じく、当人にとって期待はずれの地雷を踏む確率が下がるという点で、番組の品質を構成する重要な要素だ。報道資料を見る限りでの判断だが、番組構成は既にNHKスペシャル的様式美として確立されたテンプレに沿うものだ。どの題材が選ばれて、どのような話の構成になるか大体想像できる。余計な番組に時間を潰さなくて済むし、当該分野に対する今まで知らなかったキーワードを知ることも多少は期待できる。

しかしそれは報道倫理綱領に似た神経毒で、放映できる内容や描き方に制約を設け、対象の論じ方を硬直させてしまう。そうなることは望まないが、例えば、ヒストリカルチャンネルの一部のようなフリーダムな立場での描き方はNHKスペシャルではひっくり返っても不可能な芸当だ。そもそも企画が通らないし、万が一通っても無数の校正を受ける内にごく標準的な番組になってしまう。

その点、海外の幾つかの番組の飛ばしっぷりをすこしうらやましく思う。すこしだけ。