ブレーンワールドを超えて

時空構造はスピン構造や重力理論と切り離せない関係にあり、また、ゴーストと余剰次元、超対称性と非可換時空、超弦理論と共形不変性、AdS/CFT対応とホログラフィック原理、多様体的時空と時空量子化といったより面白いレベルでの時空が盛んに研究されている。近年流行のブレーンは物質を拘束する"世界"でありながら、それ自体が運動し相互作用する。そしていままで無関係と思われていた様々な対象がデュアリティや対称性によって融合しつつある。

いくつかの実験と理論的研究が示唆するところによれば、時空の数学的全像は普通の数の理論によって記述されるものではなく、また我々のスケールから単純にイメージされるものともかけ離れているだろう。ちょうど、鳥取砂丘をみて地球全体を想像するようなものだ。おそらくこの21世紀、物理学が仮設する"時間像"は20世紀がそうであったように変貌を遂げるだろう。